秋季全国詩吟大会の練習

4月29日、ホテルグランドアーク半蔵門で、花の会の総会が開催されました・・・

花の会会員は、平成20年以降の総元代範取得者の女性です。現在103名となりました。
本日の出席者は38名。東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城といったそれぞれの教室から参加され、食事を共にしながら交流を深める場でもあります。
食事は懐石のコースで、器や料理も見て楽しめます。






本日のメインは、10月30日(日)の秋季全国詩吟大会に向けての練習でした。
会食のあと、総元先生による吟詠指導が行われました。






大会では、「古代中国の四大美人を詠ず」という企画を行う予定です。
今日は、四大美人のうち、王昭君に関する「明妃曲」を練習しました。

明妃曲  高野蘭亭

辺関万里白楡秋   辺関 万里 白楡の 秋

窈窕雲鬟独自愁   窈窕たる 雲鬟 独り自ら 愁ふ

一曲琵琶猶未畢   一曲の 琵琶 猶ほ 未だ 畢らず

風沙吹上玉掻頭   風沙 吹き上る 玉 掻頭


紀元前一世紀、前漢の時代、元帝の後宮にいた明妃(王昭君)が匈奴の地に嫁ぐこととなりましたが、その王昭君に思いを馳せて詠まれた詩です。

(現代語訳)
都から万里離れた辺塞の地にて、楡の木の葉もはらはらと散る秋の日、美しい明妃は独り愁いている。悲しみに沈む明妃を慰める琵琶の曲。まだ終わらぬうちに、風沙が無情にも美しいかんざしを汚すのであった。


匈奴の地に送られることになった王昭君の物語は、悲劇として長く語り継がれ、多くの作品を生みました。下の図は、菱田春草が描いた王昭君。王昭君との惜別の情が描かれています。
現在、東京国立近代美術館で開催されているMOMAT展(5/15まで)で展示されています。私も観てきたのですが、王昭君を送る女官たちが本当に悲しそうに描かれていました。涙を袖でぬぐう女官たちに対して、旅立つ王昭君の凛とした姿が印象的な作品でした。



王昭君は終生匈奴の地で暮らす結果になりましたが、現実には、王昭君は匈奴の王から寵愛され、息子や娘を生み育て、匈奴と漢王朝の友好に尽くした女性として民から尊敬されたそうです。とはいえ、政争の具とされたことには間違いありません。その点で、古代中国四大美人のうち「傾国の美女」と言われている西施、楊貴妃とは一線を画すのではないかと思います。

「古代中国の四大美人を詠ず」というテーマでの秋季全国詩吟大会に向けて、来月以降の練習日の確認をし、本日の総会は終了しました。