詩吟神風流 (shigin-shinpu-ryu)

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学士会館で温習会を開催して、今年は20回目となりました。
学士会館は、関東大震災後に建築された震災復興建築で、昭和3年に開業しました。国の有形文化財に登録されています。趣のある内装。ドラマ「半沢直樹」でも有名です。








 11月8日、作詞・作曲家の水木翔子先生がパーソナリティーをつとめる『ミナキーの洒落と歌の日々』のゲストに呼んでいただきました。

http://www.ustream.tv/recorded/109641690 (11月8日放送分 ※視聴期間1か月)

 番組では、11月3日の全国詩吟大会についてのお話から。
 水木先生は、よみうりホールの会場にまで足を運んでくださいました。その前にも何度か詩吟の大会にいらしてくださり、ブログでも紹介してくださっています。

全国詩吟大会の紹介


日時  平成29年11月3日(祝)
場所  有楽町よみうりホール



ご挨拶
全日本詩吟道連盟理事長
詩吟神風流総元
    岩 淵  神 風
  
 錦秋の候、恒例の全国詩吟大会が有楽町読売ホールで開催できますことは大変嬉しく、大会準備のために御尽力いただきました役員の皆様、ご参加いただきました多くの会員の皆様に厚く御礼申し上げます。
 神風流は長い歴史を誇る流派であります。その過程において、流派の優れた吟譜が生まれ、特に長詩においては、神風流の秘曲とも言うべき素晴らしい節調が付けられました。これらは、一朝一夕に出来上がったものでなく、長期間の苦心の成果であります。心の機微、詩文の持つ叙情感、詩心を第一義的に考慮した旋律であります。
今大会では、各会が、長詩の真髄に迫るべく練習を積んで参りました。特別企画「日本の名詩」では、「後本能寺」「石童丸」「小楠公」「白虎隊」の長詩を謳い上げますので、漢詩の深い世界をより感じていただけるものと思います。
 詩吟を学ぶことは人の心を学ぶことであります。精神的な豊かさ、発声による健康成就をもたらしてくれます。詩吟を通して、多くの皆様が生き甲斐のある人生を享受されますことを願っております。(大会プログラムより)
   


【日時】
 2017年11月3日(祝)
【会場】
 有楽町よみうりホール 
 読売会館(ビックカメラが入っているビル)7階
 有楽町駅 国際フォーラム口からすぐ
 地図 http://yomi-h.jp/access
【入場料】
 無料


今年の特別企画は「日本の名詩」
 
昨年の全国詩吟大会の特別企画は、中国の歴史と楊貴妃をはじめとする四大美人をテーマにした内容でしたが、今年は日本の詩吟がテーマです。

日本の詩吟というと、どのようなものを思いかべるでしょうか。



平成29年8月6日(日)新宿区牛込箪笥ホールにて、関東第二地区吟詠コンクール大会が開催されました。この大会は、平成29年度全日本詩吟道連盟全国吟詠コンクールの予選会も兼ねています。

初段~四段の部、五段~七段の部、八段~神号の部それぞれ優勝者に賞状と盾が贈られました。


五段~七段の部=「一般の部」、八段~神号の部=「各杯の部」それぞれ優秀な成績を収めた参加者は、全国決勝大会に進むことができます。

新潟県小千谷市山本山「漢詩百選公園」 6月25日撮影


6月25日(日)、小千谷市山本山「漢詩百選公園」にて第9回吟魂祭が開催されました。

この地に詩吟神風流の吟魂碑が建立されたのは、今から26年前の平成3年。
除幕式の日は、前日まで続いた雨が上がり、式典当日たった一日だけの晴天に恵まれた日でした。
今回はその逆。たった一日だけの雨の日となりました。


吟魂碑は、高さ6.3mの大きな石碑です。
吟魂碑の周囲には、幾つかの石碑が綺麗に並んでいます。
表面に刻銘されているのは、詩吟神風流の吟士(総元代範)の先生方のお名前です。
裏面には、100の漢詩の詩文が刻まれています。

「春望」杜甫
雨に打たれてもなお、凜としたその佇まい。
12本の松と紫陽花と調和し、趣のある風情を醸し出しています。

声が激しい雨音に掻き消されないように、私たちは吟魂碑の前で「富士山観」(西島香雲作)を吟じました。

天気の良い日であれば、遠方の越後三山、信濃川が望める風光明媚な場所です。
昨年夏に、市民の家「おぢゃ~る」という施設がオープンし、宿泊や研修などもできるようです。
次回は宿泊も兼ねてゆっくり行ってみたいと思います。

なお、「おぢゃ~る」のFacebookページにも、吟魂祭の写真が掲載されています。



花が咲き始める季節になりましたが、「咲く」という言葉を昔は「笑う」と表現したそうです。
http://www.543life.com/season.html

百花に魁て咲く花といえば梅の花です。

1月21日 東京

[日時]  平成29年1月22日(日)
[場所]  練馬文化センター




東風(こち)吹かば
匂いおこせよ
梅の花
あるじなしとて
春な忘れそ


菅原道真が詠んだ和歌です。
梅の花が咲き始めるこの時期、教室でもよく吟じられますので、菅原道真について書いてみたいと思います。



「詩吟の魅力とは?」

このようなテーマで、詩吟を紹介できる機会をいただきました。
http://www.ustream.tv/recorded/99068031

1月18日放送のインターネットラジオ番組『ミナキーの洒落と歌の日々』です。
この番組は、作詞・作曲家の水木翔子先生がパーソナリティーをつとめ、毎週水曜日21時~22時生放送で配信されています。UstreamTVで1か月間視聴することができます。

番組の中では、まず詩吟について、「日本語の定型詩(漢詩の書き下し文、和歌、俳句)を日本古来の節でうたうもの」と紹介しました。
「日本古来の節」には「音符」というものがないのですが、私は言葉が音符だと考えています。そういう意味でも、詩吟は「歌謡」とは異なる発展をしてきた日本のオリジナルの文化だと思います。

そして詩吟の魅力は、詩の中の言葉が綺麗で、美しい響きを作ること。
詩の中の言葉が綺麗なので、美しい情景を描くことができます。
吟じるとき、詩吟には合う言葉と合わない言葉があります。(芸人さんのあの詩吟によって世間では誤解されているようですが)正統な詩吟は、主として格調高い言葉、漢語や古語を吟じます。
若い人からは、言葉が難しくてわからないと言われることがありますが、それならば最初から知らない国の言語だと思ってみてくださいとお話しします。詩吟を知ることは外国語を学ぶときの楽しみに似ています。新しい未知の世界が広がるはずです(^^♪

次に、王翰作『涼州詞』を紹介しました。
高校の国語の教科書に載っているので有名です。
涼州とは、現在の甘粛省武威市。唐の時代、シルクロードに通じる国境地域であり、砂漠が広がる荒涼としたところでした。
国境は紛争が絶えません。国境を守るために出征した兵士が心情を詠んだものを総称して「涼州詞」といいます。

王翰は、詩の前半部分に、「葡萄の美酒」「夜光の杯」「琵琶」という、シルクロードを通じて伝わってきた品々を描きました。

葡萄の美酒 夜光の杯 
飲まんと欲すれば 琵琶 馬上に催す

夜光の杯は、白い玉で作られた盃で、私も中国に旅行に行ったときにお土産として買ってきました。
月の光が透けて見える美しい杯を想像できます。
さらに、葡萄酒を飲もうとすると琵琶が掻き鳴らされ、異国情緒溢れた雰囲気で盛り上がります。しかし、兵士たちのこの酒宴は、悲しいものでした。
国境地帯にいる兵士たちの現実は、どのようなものだったでしょうか。
詩の後半部分でその心情が詠まれています。

酔うて沙場に臥す 君笑う莫れ(「笑うことなかれ」という書き下し文もあります)
古来 征戦 幾人か回る

私が酔って、砂漠に倒れてしまっても、君よ、どうか笑わないでおくれ。
古来、戦いに出て、生きて帰ってきた者がどれほどいるかわからないのだから。

明日をも知れない身なので、もう酔うしかないのでしょう。
戦争というものが、人々の命を奪うという現実。そうした戦場に身をおく者の心情が伝わってきます。



このように、詩吟の魅力は、詩歌を通して様々なことを追体験できるというところにあります。もっとも、この『涼州詞』を作った王翰も現地に行ったわけではなく、想像で詩作したそうですが・・。
詩吟を通して、詩中の人の想いに心を馳せたり、次の世代へのメッセージとして読み取ったりすることができます。
「詩」は詠み人の「志」です。詩の心というものは、代々、うたい継がれてきたものですから、大切な遺産でもあります。
歴史から学び、名言に出会い、時には人生の指針を見つけることができることを多くの人に知っていただけたらと思います。


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全日本詩吟道連盟 詩吟神風流総本部

【住所】
〒162-0855
東京都新宿区二十騎町2‐30

【お問い合わせ先】
担当者電話番号 080-3932-6862

shigin.shinpuryu@gmail.com

【神風会館 岩淵神風教場】
東京都中央区日本橋久松町12-5

【ご注意およびお願い】
  詩吟神風流は二代目岩淵神風の継承により、総本部所在地は小金井市本町へ、現在は新宿区二十騎町にあり、特許庁に商標登録をしております。
 詩吟神風流総本部の名前が他にあるようですが、当流とは異なりますのでお間違いのないようにお願い致します。
●全日本詩吟道連盟[商標第3133617号]
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教室のご案内

【詩吟指導】三代目岩淵神風
1969年東京生まれ。慶應義塾大学大学院修了。平成6~29年、慶應義塾湘南藤沢中高等部他、私立中学・高校講師を勤める。詩吟は3才より父・詩吟神風流二代目総元岩淵神風に師事。平成21年、最高段位である総元代範を取得。詩吟神風流副総元を経て、令和3年11月7日、詩吟神風流三代目総元岩淵神風襲名。

【教室紹介】
産経学園自由が丘
03-3718-4660
月曜日

読売カルチャー荻窪教室
03-3392-8891
水曜日

読売カルチャー川口教室
048-255-3085
木曜日

総本部岩淵神風教場(神風会館)でも木曜日・金曜日に開講しています。(最寄り駅は、都営新宿線馬喰横山駅、都営浅草線東日本橋駅、東京メトロ人形町駅)

他に、市ヶ谷、自由が丘で随時開講しています。曜日・時間・回数など、詳細はお問い合わせください。

【レッスン内容】
初めての方でもわかりやすいように、伴奏を付けて指導致します。
詩吟は、先人が残した漢詩、和歌などに日本古来の節が付けられたものです。
教室では、腹式呼吸による「丹田」を鍛え、明るくはっきりした声になるよう練習します。声を出すことは心と体の健康につながります。
また、漢詩の解釈を行いながら、漢詩の中の名言に触れたり、歴史を楽しみます。
上級者は、神風流の特徴であるバラエティに富んだ色々な節を習得します。

〇毎年日比谷公会堂(2016年は新宿文化センター、2017年・2018年・2019年は有楽町よみうりホール)での全国詩吟大会や全国コンクール大会、ホール・舞台を使用しての温習会や研修会、懇親会など、他の教室の方との交流の場もあり、自ずと仲間が増えます。詩吟教授の資格も取得できます。

〇神風流の各教室のご案内
東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・愛知・岐阜・京都・新潟・富山・長野・宮城・福岡・佐賀など各所に教室があります。神風流所属の各会・教室一覧をご覧ください。
また、お近くの教室と先生をご紹介できますので、お気軽に連絡フォームまたはメールにてお問い合わせください。

全日本詩吟道連盟 詩吟神風流総本部
東京都新宿区二十騎町2-30
お問い合わせ先
080-3932-6862
snbk90@gmail.com(岩淵神木)

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