詩吟神風流 (shigin-shinpu-ryu)

Official Blog by 詩吟神風流総本部:東京都新宿区二十騎町2-30

  • Home
  • 詩吟について
  • 教本
  • 九十周年大会
  • 行事予定
  • 各会 教室
Home Archive for 2016
毎年12月は、学士会館で温習会を開催しています。




総元岩淵神風先生による吟詠指導 和歌「東風(こち)吹かば」




 
日時  平成28年10月30日(日) 10時開場
場所  新宿文化センター 大ホール

終了 多くの方にご来場いただきましてありがとうございました。



      






10月30日(日)の全国詩吟大会での企画構成吟「古代中国四大美人を詠ず」について紹介します。


10月8日(土)、京都吼風会創立四十五周年記念吟詠大会に行ってきました。
会場は、京都御所の向かいにある京都ガーデンパレスです。

夏目漱石


今年は夏目漱石没後100年、来年は生誕150年にあたります。8月31日開催の総元代範研修会の研修課題は、夏目漱石でした。


漱石山房(新宿区)


8月31日(水) 総元代範の方を対象とした詩吟の研修会が開催されました。開催場所は、秋の全国大会が開催される新宿文化センターです。


研修内容と詩文解説


知天意(示外甥政直)  西郷南洲 

  一貫す 唯々(いい)の 諾(だく

従来 鉄石の 肝(かん)
貧居は 傑士(けっし)を 生じ
勲業は 多難に 顕(あら)はる
雪に耐ゆるの 梅は 麗(うるわ)しく
霜を経るの 楓葉は 丹(あか)し
如(も)し能(よ)く 天意を識(し)らば
豈敢て自(みずか)ら 安きを 謀らんや  


明治5年、西郷南洲の妹の息子である市来政直がアメリカ留学する際に贈った詩です。将来有望であった政直ですが、帰国後は、西南の役で命を落としました。

さて、前半4句の内容は次のようなことが書いてあります。


一旦、ひきうけたことは、ひたむきにやり通さなければならない。それは、元来、鉄石のようなかたい心をもってやりとげるものである。
貧居(貧しい家)から優れた人材が出るが、高く評価される偉業というのは、あらゆる困難にうちかってこそ、なしとげられるということだ。

そして5句目は、様々な場面で引用されるような、とても有名な句です。先日引退した広島カープの黒田博樹投手も座右の銘にしていたと報じられて、話題になりました。

「雪に耐ゆるの梅は麗しく、霜を経るの楓葉は丹し」






梅の花は、雪に耐えてこそ、美しい花を咲かせ、楓の葉は、霜をしのいでのちに、見事な赤を色付ける。苦難や試練を乗り越えてこそ、大成するということです。楽な生き方などはないのです。


このような天地の真理をもし、君が理解したならば、どうして安易な道を選ぶことができようか。今、辛くても、困難でも、がんばりなさい。逃げてはいけない。それこそ、天意に従うということだと、西郷の声が聞こえてくるようです。

また、こんな声も聞こえてきそうです。


「人を相手にしてはいけない、天を相手にせよ。」

天意とは、己を尽くし、人をとがめず、わが誠の道をいくことです。天の命じるまま、ひたむきに生きる。「敬天愛人」。まさにその言葉があらわされている詩だと思います。



水戸八景   徳川斉昭  


雪時嘗て賞す 仙湖の 景
雨夜更に 遊ぶ 青柳の 頭(ほとり) 
山寺の 晩鐘 幽壑(ゆうがく)に 響き
太田の 落雁 芳洲を 渡る
花香爛漫たり 岩船の 夕(ゆうべ)
月色玲瓏(れいろう)たり 広浦の 秋
遥かに望む 村松青嵐の 後(のち)
水門(みなと)の 帰帆(きはん) 高楼に 映ず




徳川斉昭は、水戸藩第9代藩主です。弘道館や偕楽園を建設したことでも知られています。藩政改革に着手し、全国の諸大名から一目置かれた存在です。水戸を訪れる人も増えたこともあり、徳川斉昭は藩内にある景勝地を8つ選び、それぞれの景勝地の石碑に、自らの名前を刻みました。
8つの景勝地は、「仙湖の景」「青柳」「山寺」「太田」「岩船」「広浦」「村松青嵐の後」「水門」各所に斉昭公の碑があるようです。これらを全部まわると80㎞ぐらいだそうですが、一度訪れてみたいと思います。





清平調詞 其の一  李白

雲想衣裳花想容 

春風拂檻露華濃 


若非羣玉山頭見 


會向瑤臺月下逢


雲には衣裳を想い 花には容(かたち)を想う

春風  檻を拂うて 露華濃(こま)やかなり 
若し 羣玉 山頭に 見るに 非ずんば會ず  
瑤臺 月下に向かって逢はん


雲をみて、楊貴妃の衣装を思い、牡丹をみて、楊貴妃の姿を思う。春風が欄干を払い、露は美しく輝いている。これほど美しい人は、羣玉山(仙女の母、西王母の住む山)の山頂でなければ見ることはできない。瑶臺(仙女が住む宮殿)の月明りの下でなければ見ることができないだろう。



李白が、楊貴妃を牡丹に例えて詠んだ詩です。唐の時代、牡丹は珍重されていて、都である長安の興慶宮、沈香亭も牡丹で埋め尽くされていました。玄宗は、牡丹の花見の宴を開いたのですが、そのとき、宮廷詩人だった李白に、清平調に合わせた歌を作ることを命じたところ、李白はこの詩をつくりました。清平調とは、当時、民間に伝承していた旋律、調子だそうですが、どのようなものだったのかはわからないそうです。私は、勝手なイメージですがホ短調を想像しました。
李白は、清平調詩を三首作りましたが、この詩は、其の一となります。この清平調の詩に合わせ、玄宗が玉笛を吹き、楊貴妃が舞い、李亀年が歌ったと、伝えられているようです。この詩は、10月30日の全国詩吟大会にて、企画吟「中国四大美人を詠ず」の中でも吟じます。(その2に続く)

  
 
総元岩淵神風先生による吟詠指導



「長恨歌」研修会の続きです。





6月19日(日)、長岡市で行われた新潟県詩吟神風流総元代範「長恨歌」研修会の模様です。

 白居易(字は白楽天)の「琵琶行」は88句から成ります。
「琵琶行」は
白居易が語り手となる一本の映画のような物語です。
先日放送されたNHK日曜美術館で「安田靫彦 澄み切った古を刻む」・・・
4月29日、ホテルグランドアーク半蔵門で、花の会の総会が開催されました・・・
皇居外堀 新見附橋 4月7日撮影


春眠暁を覚えず・・・
東京・新宿区早稲田通り 3月31日撮影
東京・新宿区赤城神社 3月25日撮影




東京国立近代美術館工芸館 3月31日撮影

春爛漫の好時節・・・

千鳥ヶ淵
外堀公園
昼間は小さい子供たちの歓声が聴こえる公園も夜は静かだ。
春の夜の一刻は千金に値する・・・



(写真) 千鳥ヶ淵緑道 3月25日撮影

東京の桜も開花し、今週の詩吟教室では春を詠う漢詩を取り上げました・・・
春、水辺に咲く草花を見ると、高啓の「胡隠君を尋ぬ」を思い浮かべます・・・
春は別れの季節・・・
皇居に臨むホテルグランドアーク半蔵門で、詩吟神風流花の会の新年会が行われました・・・
先人たちの残した言葉に出会い、自分の知恵や糧にすることのできる私たちは幸せだと思うことがあります・・・
今日は、日本人が作った漢詩の中から紹介をします・・・
「歳月は人を待たず」というあまりに有名な句について・・・
第47回新年全国詩吟大会兼各杯コンクール決勝が、練馬文化センターで開催されました。
式典では・・・
今日の詩吟教室は広瀬淡窓の漢詩です・・・



2016年元旦の朝 外堀にて 
明けましておめでとうございます。
元旦の日は、よく晴れて日差しが暖かく感じられました。
新年の始まりにふさわしく、晴れ晴れとした日でした。

人の心は歳月と共に新たになり、春の心は旧き天地に満つ・・・
登録: 投稿 ( Atom )

全日本詩吟道連盟 詩吟神風流総本部

【住所】
〒162-0855
東京都新宿区二十騎町2‐30

【お問い合わせ先】
担当者電話番号 080-3932-6862

shigin.shinpuryu@gmail.com

【神風会館 岩淵神風教場】
東京都中央区日本橋久松町12-5

【ご注意およびお願い】
  詩吟神風流は二代目岩淵神風の継承により、総本部所在地は小金井市本町へ、現在は新宿区二十騎町にあり、特許庁に商標登録をしております。
 詩吟神風流総本部の名前が他にあるようですが、当流とは異なりますのでお間違いのないようにお願い致します。
●全日本詩吟道連盟[商標第3133617号]
●神風流[商標第3133618号]
●岩淵神風[商標第5916254号]

連絡フォーム

名前

メール *

メッセージ *

教室のご案内

【詩吟指導】三代目岩淵神風
1969年東京生まれ。慶應義塾大学大学院修了。平成6~29年、慶應義塾湘南藤沢中高等部他、私立中学・高校講師を勤める。詩吟は3才より父・詩吟神風流二代目総元岩淵神風に師事。平成21年、最高段位である総元代範を取得。詩吟神風流副総元を経て、令和3年11月7日、詩吟神風流三代目総元岩淵神風襲名。

【教室紹介】
産経学園自由が丘
03-3718-4660
月曜日

読売カルチャー荻窪教室
03-3392-8891
水曜日

読売カルチャー川口教室
048-255-3085
木曜日

総本部岩淵神風教場(神風会館)でも木曜日・金曜日に開講しています。(最寄り駅は、都営新宿線馬喰横山駅、都営浅草線東日本橋駅、東京メトロ人形町駅)

他に、市ヶ谷、自由が丘で随時開講しています。曜日・時間・回数など、詳細はお問い合わせください。

【レッスン内容】
初めての方でもわかりやすいように、伴奏を付けて指導致します。
詩吟は、先人が残した漢詩、和歌などに日本古来の節が付けられたものです。
教室では、腹式呼吸による「丹田」を鍛え、明るくはっきりした声になるよう練習します。声を出すことは心と体の健康につながります。
また、漢詩の解釈を行いながら、漢詩の中の名言に触れたり、歴史を楽しみます。
上級者は、神風流の特徴であるバラエティに富んだ色々な節を習得します。

〇毎年日比谷公会堂(2016年は新宿文化センター、2017年・2018年・2019年は有楽町よみうりホール)での全国詩吟大会や全国コンクール大会、ホール・舞台を使用しての温習会や研修会、懇親会など、他の教室の方との交流の場もあり、自ずと仲間が増えます。詩吟教授の資格も取得できます。

〇神風流の各教室のご案内
東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・愛知・岐阜・京都・新潟・富山・長野・宮城・福岡・佐賀など各所に教室があります。神風流所属の各会・教室一覧をご覧ください。
また、お近くの教室と先生をご紹介できますので、お気軽に連絡フォームまたはメールにてお問い合わせください。

全日本詩吟道連盟 詩吟神風流総本部
東京都新宿区二十騎町2-30
お問い合わせ先
080-3932-6862
snbk90@gmail.com(岩淵神木)

最近の投稿

Powered by Blogger.

Category

  • 詩吟の行事 (44)
  • 漢詩のある風景 (38)
  • 古典の世界 (17)
  • 教室の風景 (13)
  • 本とことばの記録 (6)
  • 私と「ことば」 (5)

Blog Archive

  • ►  2022 (1)
    • ►  2月 (1)
  • ►  2021 (6)
    • ►  12月 (1)
    • ►  11月 (1)
    • ►  4月 (2)
    • ►  2月 (1)
    • ►  1月 (1)
  • ►  2020 (4)
    • ►  10月 (1)
    • ►  7月 (1)
    • ►  6月 (1)
    • ►  1月 (1)
  • ►  2019 (7)
    • ►  12月 (1)
    • ►  11月 (1)
    • ►  8月 (2)
    • ►  7月 (1)
    • ►  2月 (1)
    • ►  1月 (1)
  • ►  2018 (7)
    • ►  12月 (2)
    • ►  11月 (1)
    • ►  10月 (1)
    • ►  8月 (1)
    • ►  5月 (1)
    • ►  1月 (1)
  • ►  2017 (10)
    • ►  12月 (2)
    • ►  11月 (1)
    • ►  10月 (1)
    • ►  8月 (1)
    • ►  6月 (1)
    • ►  2月 (1)
    • ►  1月 (3)
  • ▼  2016 (24)
    • ▼  12月 (1)
      • 第19回温習会
    • ►  10月 (3)
      • 秋季全国詩吟大会
      • 「中国四大美人」 西施・王昭君・虞美人・楊貴妃
      • 京都~伝統とルネサンス~
    • ►  8月 (2)
      • 総元代範研修会(その2) 
      • 総元代範研修会(その1)
    • ►  6月 (2)
      • 長恨歌「七夕の誓い」
      • 「長恨歌」研修会
    • ►  5月 (2)
      • 「琵琶行」研修会
      • 安田靫彦展(2) いにしえの息吹
    • ►  4月 (2)
      • 秋季全国詩吟大会の練習
      • 安田靫彦展(1)「春暁」Spring Dawn
    • ►  3月 (5)
      • 春爛漫
      • 春宵一刻直千金
      • 白楽天「春風」
      • 高啓「胡隠君を尋ぬ」
      • 三月は「送別」の季節
    • ►  2月 (3)
      • 新年会
      • 吉田松陰と王陽明
      • 藤井竹外「泉州道中」
    • ►  1月 (4)
      • 陶淵明「歳月は人を待たず」
      • 新年全国詩吟大会
      • 受験生に贈りたい「桂林荘雑詠」
      • 「新春」
  • ►  2015 (18)
    • ►  12月 (1)
    • ►  11月 (2)
    • ►  10月 (1)
    • ►  8月 (2)
    • ►  7月 (3)
    • ►  6月 (2)
    • ►  5月 (4)
    • ►  4月 (3)

About Author

岩淵神木
詳細プロフィールを表示
Copyright 2014 詩吟神風流 (shigin-shinpu-ryu).
Designed by OddThemes