YouTube 楊巨源「折楊柳」

詩吟神風流【公式】YouTube 二代目総元岩淵神風先生吟詠「折楊柳」


柳は春の芽吹きを代表する木です。

生命力を感じさせることから、古来より様々な俗信を生みました。

その一つが「折楊柳」です。

中国には「折楊柳」という送別の情を歌う楽府題がありましたが、柳の枝を折り、環の形に結んで旅立つ人に贈るという習俗に発しています。「環」が「還」と同じ音であることから、無事の帰還を願う気持ちが込められていたようです。

『私(作者)は、旅立とうとしている君の馬を止め、柳の枝を一枝手折ってもらった。すると春風が吹いてきて、手の中の枝をやさしく揺すっている。まるで別れを惜しむかのように。』

転句の「唯~春風の~」は、春風がやさしく枝を揺する情景を表現する吟法です。

別れを惜しむとき、ほんの一分でも一秒でもとどまっていたいという心情が伝わってきます。そのような気持ちを春風がわかってくれているのです。