今日の詩吟教室では、李白の「黄鶴楼送孟浩然之広陵」を取り上げました。
写真は、黄鶴楼に行ったときに撮影してきたものです。
李白は、黄鶴楼にて孟浩然が広陵に行くのを送り、この詩を詠みました。
この黄鶴楼を発って、三月の霞がかった春景色の中を我が友の孟浩然が広陵へと下っていく。一隻の小舟の遠い帆影は、いつともなく碧の空に姿を消し、あとはただ長江の水が天の果てに流れていくばかり。
現在も、黄鶴楼の上から川の流れを見下ろすことができます。私も黄鶴楼にのぼったとき、水平線の彼方に消えていく孟浩然の小舟を想像してみました。空と水しか見えなくなってしまうまで見送ったときの気持ち、友と別れるときの大きな喪失感が詩から伝わってきます。
さて、「黄鶴楼」というと、崔顥の「黄鶴楼」があります。黄鶴楼にまつわる伝説が詠み込まれている七言律詩ですが、四白は黄鶴楼を訪れたとき、この崔顥ほどに黄鶴楼の詩はできないと言ったそうです。そして、李白は、この崔顥の「黄鶴楼」の詩にならい、南京で「金陵の鳳凰台に登る」という作品を作りました。ちなみに、江南の三大名楼と言われているのは、黄鶴楼の他に、幐王閣と岳陽楼です。