「新春」




2016年元旦の朝 外堀にて 
明けましておめでとうございます。
元旦の日は、よく晴れて日差しが暖かく感じられました。
新年の始まりにふさわしく、晴れ晴れとした日でした。

人の心は歳月と共に新たになり、春の心は旧き天地に満つ・・・


「新春」の中の句です。


 新春  眞山民

余凍 雪纔かに乾き
初晴 日驟かに暄なり
人心 新歳月 
春意 旧乾坤
煙は碧にして 柳色を回し
焼は青くして 草魂を返す
東風 厚薄無く
例に隋って 衡門に至る


眞山民は、南宋の詩人です。
詩吟では、「山中月」「山間秋夜」で知られています。
姓名、出身地は不明ですが、宋の滅亡とともに世を逃れ、人に知られることを求めず、自分を「山民」と呼んだといわれています。

詩の中の「厚薄」とは、不公平という意味。「衡門」とは、粗末な門のことです。
春風が、不公平なく、我が家にもやってきたという眞山民の喜びが伝わってきます。
新しい年の始まりにふさわしい希望と喜びに溢れる詩です。